鈍獣 | えのきさんの痴漢日記

鈍獣

いざ、仕事にいこうと思ったら、WOWOWで鈍獣が放映するとのこと。

思いっきり見入ってしまいました。

ある処女小説を発表した後、小説家は姿をくらます。
その小説家を捜している女性編集者がたどり着いた先は、地方都市の寂れたホストクラブ。
そのホストクラブには中年の男のオーナー、ママ、若い女と常連客の男がいた。彼らは小説家についてそれぞれ語り出す・・・。

なんてお話。
官藤勘九郎初のホラー舞台なんて言うんだけども、最初何がホラーなのか、
さっぱり理解できないまま、濃いキャラクターに引き込まれていく。
乙葉のバカっぷりもそれなりにマッチして、演劇特有のムシムシした空間を作りだしていく秀作。去年から気になってはいたものの、やっぱり芝居を実際に見に行けばよかった、と激しく後悔をした。

そしてその小説家が言う台詞
「もう、終わっちゃった?」という台詞。
これがホラーだった。最後になるほど、この台詞の重さを体で感じることになる。
つまり、もっともホラーなのは鈍感な奴だ、ということ。
最後には、一体誰が鈍感な「鈍獣」であったのだろうか、なんて思ってしまう。

しかし、鈍感というのは一体どこで直せばいいのだろうか。
ぼくもかなり鈍感な男なのだけども、磨いて鍛えて治る、なんてこともなさそうだ。