ターミナル  世の中でこれほど「翻弄」される人間もいない | えのきさんの痴漢日記

ターミナル  世の中でこれほど「翻弄」される人間もいない

人は常に何か大きな力に操作されているかもしれない。
小さい頃にそんなことを思ったことがある。
まるで自分がゲームの「ポピュラス」のように、
神様みたいな大きなチカラが僕らのようなプレイヤーを操作しているような。
そこまで妄想しないとしても「翻弄」ってされている気がする。
自分の意志とは反した、到底抗うことの出来ないチカラもあるような気がする。

しかし、このトム・ハンクスほど翻弄されている人間はいない。
「ビッグ」では変なまじないのせいで子供になっちゃうし。
「フィラデルフィア」ではゲイを受け入れられない社会にいぢめられ、
「フォレストガンプ」ではその半生をアメリカに弄ばれ、
「プライベートライアン」に至っては他人の家族の安否のせいで命を落としてしまう。
そんな「ミスター・翻弄男」のトムハンクス。
この「ターミナル」という作品はその真骨頂。
母国・アメリカ・女などに、まぁいろんなものに翻弄されている。
そして何といっても、この映画のキーワードの「約束」にしてもそう。
彼の意志は、その約束を守るために存在している訳で、様々な現象に右往左往されている。その中でも自分の雰囲気を十分に出す男。すばらしいナイスガイ。
まぁ、こんな男はなかなかいたもんじゃない。

と、思ったのだけども、日本にそれを越える男がいた。
そう「寅さん」である。
この人のほうが二枚も三枚も上手である。

トム君、まだまだ先輩がいたね。