朝日新聞訪欧大飛行 ロマンのないやつは死んでしまえ | えのきさんの痴漢日記

朝日新聞訪欧大飛行 ロマンのないやつは死んでしまえ




著者: 前間 孝則
タイトル: 朝日新聞訪欧大飛行 -大正ロマン冒険飛行時代の男たち 上

今年の最初に思ったこと。
とにかく人には「夢」や「希望」や「願望」や「欲望」が必要だと感じた。
それはロマンやメルヘンと言ってもいいかもしれない。
何かに思いを馳せながら、人は行動するべきなのではないか。
何かを行うとき、自分を奮い立たせなければいけない。
そこにあるのはひとつのロマンだけあればいい。
そう、まるでウィニングイレブンのジーコのように。

まだ飛行機が珍しいもの、奇異なるものと感じていた大正時代。
4人の男が日本の期待を一斉に背負って飛行機でシベリアまで飛ぶ。
その物語はノンフィクションでありながら、僕の心を躍らせる。
義務と希望と危険を感じながら、何度もの危機と歓迎を受けながら
小国の日本が世界にアピールしていく物語。
一種のロマンを語るものとして考えてもいいのだけども、
当時の軍国主義になっていく日本のきっかけがそこかしこに散りばめられている。その流れに便乗して、自分の気持ちを昇華させた男がいた。
そこには、野望や夢などのロマンが山積みにされている。
ある一人の男はそれを寡黙にやってのけたのだ。
自分の信条とするものを、雲や海や山の先に見据えて。

今、自分はロマンを持っているのだろうか。
自分を奮い立たせる何かを大声で言えるのであろうか。
そう考えると心が痛む。僕は今まで何かを隠して生きてきた。
それは気づかずうちに、かなりの部分を侵食してしまった。
まだ、戻れるのだろうか、と不安に思うことがある。
この戦争の時代に、自分を投げ打ってロマンに投じた男たちのように。
だから、彼らの気持ちにならってあえて、大きく宣言する。
ロマンを持て。夢を持て。汚くてもいい、自分がしたいようにすればいい。
それが出来ぬならば、いっそ死んでしまえばいい。
自分が持っている足枷は、その気持ちを高めるバネになる。

空を自由に飛ぶということ。
それは、飛行機を飛ばさなくても自分で出来る簡単に出来る行為なんだ。