檻の中のダンス -踊りたい気分もある- | えのきさんの痴漢日記

檻の中のダンス -踊りたい気分もある-

突然だが、僕の部屋は3畳半である。
かつて、お坊ちゃんであった僕は家で一等上等な部屋を占拠していた。
しかし、ひょんな事情で大阪へ赴くことになり、いざ帰京してきた時に僕は愕然とした。
部屋がない。
自分の城がない。
そう、僕がかつてその世界で王様であった城は弟に奪われ、物置となっていた部屋へと追いやられてしまった。
恐るべし下克上。
そして、幽閉された3畳の部屋には本やCDが山積みにされ、ソファベッドでしか生活のできない状況に追いやられた。そして僕はこの圧迫感に苛まれる。
そう、開放されたいと望んでしまうのだ。
何もかも、重力からも、税金からも、世間体からも。

そんな愚痴を思っていたら、以前に読んだ本を思い出した。
「檻の中のダンス」鶴見済
著者は「完全自殺マニュアル」で有名になった人なのであるが、正直読んだことがない。
その彼がその後の生活で「達観」した話を書いている。
もう、ぶっ飛んでいる。
とりあえず考えることが愚になり、体は正直に何かを求める。
睡眠、セックス、ダンス。
頭はカラダの衝動を抑え、カラダは頭の作り上げるものに屈服する。
それには生産がないから。頭はとっても計算高い。
最初、これを読んだときに確かに思ったのだけども、最近どうも違う。

僕はクラブにたまに行くことがある。
もちろん、周りに合わせて「踊る」こともあるし、
「大きい音」を全身でうけることもある。
それに快楽を覚えることもあるのだけども、本当の快楽はダンスが終わって、クラブから出た瞬間。
全てから開放されて、無になる気分。
僕にとって「ダンス」という行為は抑圧になり、その後の開放をほのかに期待しているのだ。
だから、セックスよりもオナニーが好きだし、
広い部屋より狭い部屋に留まるし、
ダンスをするより、それに開放された瞬間が好きなのかもしれない。

もしかして、ドMなのかしら?