痴漢日記小説  愛なのか、それとも誠なのか。 | えのきさんの痴漢日記

痴漢日記小説  愛なのか、それとも誠なのか。

ところでご相談なのです。わたくし、恋に落ちたのです。
しかも不倫なのでございます。
昔、恋焦がれたものがおりまして。私なぞ、そのもののような高貴な華にはとても手のつけられない愚鈍な男でございまして。とても可憐で、それは理知的な姿は私の心を射止め、寝食も忘れてしまうほど思い焦がれたものでした。何度もそのものを射止めようと画策もいたしましたが、私も分別のある大人ですから、そのとき私は涙をのんでそのものを諦め、かねてから交友のあったものを細君にせしめたのです。
時は経ち、私も細君と細々ながら生活をしておりました。決して贅沢なこともなく、質素に。私はかつての情熱を捨て、細君と太平安泰な日々を暮らしておりました。それで満足、それで十分と思いながら。
しかし、仕事の付き合いで出かけた先で、見てはいけないものを見てしまったのです。
かつて情熱を注いだそのものが、私の前に現れたのです。
3年ぶりに見たそのものは私の心を大きく揺さぶりました。一言で言えばハイカラ。より洗練されたものが私の前に現れたのです。私がかねてから危惧しておりました、近寄り難い高い教養も世知辛い世の中を渡ってきたせいか幾分か影を潜め、殺ぎ落とされたそのものの艶やかさをより一層増しているのです。私は何度も声を掛けようと試みましたが、今は細君がいる身と戒め、その場を後にしました。

私も男ですから、手に入れることをつい考えてしまうのです。どうにかあのものを手篭めにできないものか、卑しい考えは後を絶ちません。
そのせいか、細君なぞ放っておいて毎日そのことばかり考えてしまうのです。
そのしなやかな腕、ほっそりとした顔、そして目の奥で輝く光を。
私はそのものをあたかも手に入れたかのように、恍惚な表情をしていたかもしれません。
するとその私の妄想を察したのでしょうか、細君の様子がどうもおかしい。
はて、これはどうしたことかと尋ねると黙っておろおろと泣き出してしまう始末。
私も困り果ててしまい、細君をなだめる努力をするのだけども、一向に顔を上げない。
仕舞いには「おい、お前いつまで泣いていても要領を得ないではないか」と怒鳴り上げてしまう始末。
このとき、流石に私も多少やりすぎてしまったと冷や汗をかいてしまいました。
しかし、細君はその怒号の後、私の方へ向いてこう述べるのです。
「貴方、私はいつまでもあなたの考えている退屈な女じゃないのよ」
日々の生活がそうさせたのか、最近は細君の美しさに感じることがありませんでした。しかし、今頬を濡らした細君の顔は、どこまでも美しく惹きこまれるものがありました。
こいつ、私の心が読めるのか。私は細君の美しさと共に今後一生縛られてしまうのではないかと同時に恐怖さえ覚えてしまいました。
嗚呼、私はこの欲望から抜け出せるのでありましょうか。



ということで仕事で資料を探していたら、カカクコムでかつて欲しかったTVSのデジタル版「Tvs DIGITAL」が思い切り安い。少し頑張れば買えなくももない・・・
そして、Tvsを諦めて買ったリコーの「GR1s」を下取りで出そうと思ったら、それのデジタル版「Caplio GX」が売られていることに気づく。
こんな思いを久しぶりに小説にしてみたり。
果たしてどちらがいいのか、本当に悩んでいるのです。