嫌われ松子の一生 -女は不幸になりたがるのか?- | えのきさんの痴漢日記

嫌われ松子の一生 -女は不幸になりたがるのか?-

不幸とは重なるものである。
朝、目が覚めたら雨が降っている。朝、目を覚まそうと思ったて風呂に入ろうと思ったら、わかしておらず勢いよく水風呂を浴びてしまう。
会社に向かおうと思ったら、電車は遅延。仕事は思いの他進まずイライラする。
帰りの電車に酔っぱらいにからまれて困惑しつつ、家路につくと食事がない。
そんな時、この本を思い出す。
「まだまだましだぜ、俺ってば」

この作品で思うのは不幸とは呼び寄せるもの。
とにかく落ちる速度に身を任せる松子という女も面白い。
男のために、と頑張るのだけども基本的に男の存在に頼り切り、
裏切られたとうちひしがれる日々。そしてまた別の男に騙されていく。
いわゆる「だめんず」ってやつである。
そして、死ぬ前に踏みつぶされた男や女に全て恨み節。
不幸を自ら呼び寄せて、自立の形を手に入れようとしない。そういうお話。
今話題の「どろどろ」って言うものの部類に入るけども、
これを女の人は読むとどうなるのだろうか。
かつて「東電OL殺人事件」で脚光を浴びた陰のヒーロー渡辺泰子を自分に重ねた
世の中の女性は、この松子にどういう印象を覚えるのだろうか。
やはり墜ちる快楽を求めるのだろうか、松子をストッパーとして思うのだろうか。

やはり、女の発想というのは僕には全然わからない。