うそつきのススメ | えのきさんの痴漢日記

うそつきのススメ

先日、ある人と会話をしていたときのこと。
彼女は「大人って嘘をつくでしょ?」と言う。
彼女は大学も卒業をして、もう立派な大人である。年金も払う年齢である。
僕は、もうキミもいい大人なんだから分別をつけなさい、と諭す。
しかし彼女は僕に言う。酔っていたからだろうか。
「んじゃぁ、大人って嘘をつかなくて生きていけるんですか?」
僕は返事に困る。
僕の嘘は稚拙で、いつもその場しのぎ。3分も後にバレてしまう嘘を平気でつくのだ。
そんな自分がほとほと嫌になる。こんな本のように嘘がつければ、と。

というような前置きで思い出した本。「どこかにいってしまったものたち」この本はアマゾンの古本とかで買わないように。センス疑われます。

日本には本当に珍しい商店があって、三代続く珍品専門の骨董屋であるクラフト・エヴィング商会。オホホ商会よりもチャーミングで、悪役商会よりもエンターテイメント(蛇足的一文)
人は上手に嘘を付かれれば怒りよりも、笑いがこみ上げてくる。
しかし、その上の感情を知っているだろうか?
それは「感動」なのである。嘘は突き詰めるとメルヘンであって、小説になるのである。嘘は作品なる。
最後に見せる種明かしは、最後に目眩を覚える。現実に戻される強引な力が働く。それが目眩になる。まるでほろ酔いのときの心地よさがそこにはある。

嘘を付き損ねると胸に刺さる。もっと胸を躍らせるような嘘をつけなかったものか。
もっと素敵に大人になれなかったのか、という後悔を。

ちなみに、これよく友人の誕生日プレゼントにあげるんです。
結構喜んでくれる一品。実はこっそりうそつきを増やしたい、そんな方向から国家を転覆させるエロリスト(オブ・ジョイトイ)な俺なのです。